スマートドラッグを飲むだけで頭が良くなるのか?



スマートドラッグは本当に効くのか?

 

 

さて、いずれにしても「本当に効くのか?」ということが最大の焦点ということになってきます。非常に複雑な脳や思考に関わったことです。そもそも思考というのは、生物学的にみても相当に難しい部類です。

 

基本的に思考はニューロンを活性させる必要があります。ニューロンとは神経細胞のことで、つまり神経を構成する細胞で、刺激を受けることで反応し、その刺激を他の細胞に伝達します。従って、そのために十分な神経伝達物質が必要になります。

 

神経伝達物質は、シナプス末端へ再取り込むことで再利用することが可能ですが、やはり徐々に消耗します。この神経伝達物質が消耗すると頭脳のパフォーマンスは低下します。

 

具体的には、論理的思考能力、学習能率、注意力、想起能力、調整能力、処理能力などで、レスポンスも悪化します。憂鬱や精神的疲労も引き起こしやすくなります。つまり、神経伝達物質は頻繁に補充される必要があるということにつながります。

 

神経伝達物質を補充するためには、伝達物質の生合成素材となる化合物の摂取が必要です。神経伝達物質を最適レベルに保たれれば、頭の回転は速くなり、スタミナも向上するのでは?と期待されるわけです。

 

特に脳は老化すると神経伝達物質を若い頃のように保つことが困難になるので、脳を若々しい状態に保つのを補助する、という効果も併せて期待されています。これが「頭がよくなる」ということの原理だと思います。けっして「特効薬」だったり「魔法の薬」だったりすることはありません。